導入事例

DRIVEBOSSの導入に併せて熟練ドライバーの暗黙知を“見える化”し、業務フローも改善

 DRIVEBOSSを採用した理由について、片桐氏は次のように説明する。

 「他にもいくつか候補となる製品はありましたが、まず多地点巡回を支援してくれるという観点から、DRIVEBOSはドライバー側での操作がシンプルで、使いやすいものでした。ドライバーは運転開始時にナビ上の開始ボタンを押し、オフィスに戻ってきたら終了ボタンを押すだけです。その間の運行データは逐一クラウド上に保存されますし、1日に回る件数が多い時には、管理者がオフィスのPCから追加の巡回先の情報をネット経由で車両側のナビに送信することができます。使ってみて一番効果の期待できそうなサービスがDRIVEBOSSだったということです」。

 そして同社では、DRIVEBOSSの導入と併せて、これまで各ドライバーが担当していた巡回ルートの作成を、本社もしくは営業所の人員が行うように業務フローも改善した。

 「そもそも我々が業務用ナビシステムを求めていた最大の理由は、配送業務の効率化を、熟練ドライバーの属人的なノウハウから切り離したかったからです。最初に導入したSDカード方式の仕組みでは、個々のドライバーが作成した巡回ルートは各人のPCの中に埋もれてしまっていましたが、DRIVEBOSSではそうしたデータも全てクラウド上で一元管理することができます。そこで各PCからこれまでドライバーが作成してきた巡回ルートの全データを吸い上げ、本社・営業所側には専任のルート編集者を設置して、本社・営業所から各ドライバーに対して巡回ルートを指示するフローに切り替えました」。

 つまり同社では、熟練ドライバーの暗黙知を“見える化”して形式知に変換したということだ。これによって新人ドライバーでも、すぐに効率的な配送業務を行うことが可能となった。

 「DRIVEBOSSの試用に際しては、まず我々が各ドライバーのPCから巡回ルートの全データを吸い上げ、巡回する店舗と順番が一目で分かるようなファイル名を付けて巡回コースを標準化し、そのデータと顧客情報をパナソニック カーエレクトロニクスに渡して、実際の利用環境を用意してもらいました。DRIVEBOSSのメリットを十分に実感することができたのも、そうした環境があったからこそだと考えています」。

車両の動態管理ができること、安全運転の啓蒙に繋げられることも高く評価

 さらに片桐氏は、DRIVEBOSSが他製品よりも優れていたポイントとして、遠方で稼働する車両の動態管理をタイムリーに行うことができる点も強調する。

 「今私たちは本社と中部の他に、東北(仙台市)と信越(新潟市)にも営業所を置いており、長野には新潟エリアを回ってもらう在宅の営業の方もいます。こうした人たちの車両に対しては、DRIVEBOSSの多地点巡回支援の機能よりもむしろ、その車両が今、どこにいるかをリアルタイムで把握できるメリットのほうが大きいですね」。

 在宅の営業は同社からは“見えないところ”で仕事をしてくれている人たちだ。これまでは、彼らが今どこにいて、何をしているのかを知る術は無かったが、DRIVEBOSSを導入したことで、本社からネット経由で各車両が今、長野や新潟のどの辺りにいるのかをタイムリーに“見える化”することが可能になった。

 こうした車両の見える化は、DRIVEBOSSを多地点巡回支援で利用する本社や中部営業所でも、大いに重宝しているという。

 「私たちの業務では、この場所に何時までに着かなければならないなど時間の制約を受けることが多々あり、またお客様から“ちょっと戻って来て欲しい”といった連絡を受けることもあります。これまでそうした時には、まず担当ドライバーに連絡して現在地を教えてもらい、どれぐらいで戻れそうかを明らかにした上で、改めてお客様にお返事するという流れでしたが、今ではお問い合わせをいただいた時点で、担当ドライバーの現在地をPC上で確認することができます。そこで本社・営業所側で大体の見当を付けた上で、ドライバー側のナビ画面に指示を出すことができる。DRIVEBOSSは、よりスムーズな顧客対応も実現してくれています」。

 さらにDRIVEBOSSは、安全運転の啓蒙活動にも繋げられると片桐氏は続ける。

 「各車両の運行データは随時クラウド上に蓄積されていくので、今後は全ての車両の運用データも併せて分析し、速度超過の発生回数などを明らかにした上で、必要に応じて安全運転を促すための指導も行っていきたいと考えています」。

DRIVEBOSSの導入を進め、今後はAIを活用した巡回ルートの作成支援にも期待

 現在同社では、合計34台の配送用と営業用の車両を抱えている。そのうちDRIVEBOSSが搭載されているのは、中部営業所の4台、本社の5台、信越営業所の2台で、片桐氏は今後も車両のリースアップのタイミングなどを睨みながら、順次導入していきたい考えだ。

 「またDRIVEBOSSでは、本社や各営業所からのメッセージを車両側のナビ画面に表示できるので、この機能を業務以外の場面でも活用して、例えば“今日は暑いので水分補給をこまめにして、熱中症には十分に気を付けてください”など、ちょっとしたメッセージを送ることで、ドライバーとのコミュニケーションをさらに充実させていきたいですね」。

 そして2018年10月、DRIVEBOSSは、AIを活用して顧客が登録した巡回先を効率よく回ることのできる「巡回ルート作成機能」の提供を開始した。

 「今回業務フローを改善して、本社や営業所に専任のルート編集者を設置しましたが、この機能が提供されれば、ボタンを押すだけで効率的な巡回ルートを作成することが可能になります。そうなれば新入社員でもルート作成ができるようになるでしょう。さらなる業務の効率化が実現できることを期待しています」。